
車の防錆施工とコーティングはどう違う?両方必要なのか解説
車を長く大切に乗り続けたいと考えるとき、多くのオーナーが気にするのが「防錆施工」と「ボディコーティング」です。どちらも車を守るための施工ですが、対象となる部分や効果が異なります。
「錆から愛車を守りたい」「新車の美しさを長持ちさせたい」と考える人にとっては、どちらを優先すべきか、あるいは両方必要なのか悩むポイントではないでしょうか。
本記事では、防錆施工とコーティングの違いや、それぞれの効果・メリットデメリット、施工のタイミングや費用感まで詳しく解説します。
どちらが必要?防錆施工とボディコーティングの役割の違い
まずは「防錆施工」と「コーティング」の役割を整理してみましょう。
- 防錆施工
車の下回りや目に見えにくい部分を、塩害・湿気・融雪剤から守るための処理。特に雪国や海沿いで使用する車には必須ともいえるメンテナンスです。 - ボディコーティング
車の外装塗装を透明な被膜で保護し、紫外線や酸性雨、鳥のフンや花粉などによる劣化から守るもの。ツヤが増し、洗車がしやすくなる効果も期待できます。
つまり、防錆は「車の寿命や安全性」を守るものであり、コーティングは「車の美観や手入れのしやすさ」を守る施工です。
どちらが必要かは使用環境やオーナーの重視ポイントによって変わりますが、長く安心して乗りたい人にとっては両立させるのが理想的です。
利用目的別の優先順位
「結局どちらを先にやるべき?」という迷いを解消するために、利用目的と保管環境から優先度を整理します。
- 安全性と耐久性を最優先(10年以上乗りたい・長距離/高速/積雪路を多用):まずは防錆施工。その後、余裕があればボディコーティング。
- 見た目と手入れのラクさを最優先(屋外駐車・都市部・洗車頻度を下げたい):ボディコーティングを先に。次点で下回りの要所防錆。
- 売却時の査定を意識(3〜5年で乗り換え):両方が理想。下回りの腐食と外装の劣化は査定に直結します。
- 新車時に一気に整えたい:納車〜1か月の間に防錆+コーティングの同時施工がベスト。塗装・下回りが最も綺麗な状態で施工でき、定着も良好です。
ポイントは「骨格を守る=防錆」「外観と塗膜を守る=コーティング」という役割分担。クルマの“寿命の伸びしろ”に直結するのは下回りの錆対策で、長く乗る人ほど防錆の優先度は高いと覚えておきましょう。
効果|防錆施工とコーティングがもたらす違い
防錆施工の効果
- 下回りやフレーム、サスペンションなど金属部分に防錆剤を塗布
- 融雪剤や潮風による腐食を防ぎ、穴あきや強度低下を防止
- 車検時のトラブル(腐食による不合格)を予防
ボディコーティングの効果
- 紫外線や酸性雨から塗装を守り、色褪せを防ぐ
- 洗車キズの防止や、汚れが付着しても落としやすくなる
- 光沢が持続し、見た目が新車のように美しい状態を維持
どちらも「車を守る」という点では共通していますが、作用する部位や守る対象が大きく異なります。
メリット・デメリット
防錆施工のメリット
- 車の構造部分を守り、安全性が長期間維持できる
- 一度施工すれば数年間は効果が持続する
- 中古車査定でプラス評価になるケースがある
- 走行フィールが安定:サビによるブッシュ固着やボルト固着を予防し、整備性も保てる
- 保安基準リスクの低減:腐食が進んだメンバーやブレーキ配管は車検不合格の一因。予防が最安の“保険”
防錆施工のデメリット
- 施工直後はやや薬剤臭がする場合がある
- 完全防御ではなく、環境次第で定期メンテが必要
- 初期費用が数万円と、簡単なメンテよりコストがかかる
- 厚膜は飛び石の欠けが出ることがあるため、年点検で補修を前提に。
- 一部の輸入車はメーカー指定の処置があるため、車種特性に明るい施工店を選ぶ。
ボディコーティングのメリット
- 新車のような輝きを長くキープできる
- 洗車が楽になり、水弾きが良くなる
- 塗装面の劣化を防ぎ、中古売却時の価値が高まりやすい
- 洗車時短と再汚染の軽減:水切れ・汚れ落ちが良く、日々の手入れが楽。
- 写真・動画映え:とくに黒・濃色は艶の差が顕著で、SNS・売却時に強い。
ボディコーティングのデメリット
- コーティング被膜は摩耗するため定期メンテナンスが必要
- DIY施工ではムラが出やすく、プロ施工は高額
- 屋外駐車の場合、効果が短くなることも
- 完全防傷ではない:洗車キズや飛び石はゼロにならない。正しい洗車方法が前提。
- 下地の粗さは透ける:磨き工程の巧拙が光沢と持続に直結。安価施工は下地処理の質を要確認。
下回り防錆の重要性
防錆施工の中でも特に大切なのが「下回り防錆」です。
車の下回りは普段目にすることがないため、錆が進行しても気づきにくいのが特徴です。しかし、フレームやサスペンションが腐食すれば、最悪の場合は走行に危険を及ぼします。
特に日本は四季があり、梅雨の湿気・冬の凍結防止剤・沿岸部の潮風と、錆びやすい環境が揃っています。こうした環境で数年走行すれば、未施工の車と施工済みの車とでは大きな差が出るのです。
ボディコーティングの特徴と必要性
ボディコーティングは「車を美しく保ちたい」というニーズに応えるものです。ワックスや簡易コート剤とは違い、ガラス系やセラミック系のコーティングは数年単位で効果を発揮します。
また、単に見た目のツヤを良くするだけでなく、塗装を化学的に守る役割もあります。紫外線や酸性雨によるダメージを減らし、鳥のフンや虫の死骸といった酸性物質からも塗装を守ってくれます。
費用の目安
防錆施工
- 軽自動車:2〜4万円
- 普通車:3〜6万円
- SUV・大型車:5〜10万円
(効果は2〜5年程度持続。雪国や海沿いでは短め)
ボディコーティング
- 簡易タイプ:1〜3万円
- ガラス系プロ施工:5〜15万円
- セラミック系ハイグレード:15〜30万円以上
(効果は3〜5年程度。屋内駐車ならさらに長持ち)
費用の内訳と相場の見方(費用)
見積を見るポイントは「下地処理」「使用剤のグレード」「施工範囲」。
- 下地処理:脱脂・鉄粉除去・軽微な錆落としの有無で耐久性が変わります。価格が安すぎる場合、ここが簡略化されがち。
- 使用剤:防錆はゴム/樹脂厚膜タイプ、浸透型ワックス、透明タイプなどで耐久性と価格が変動。コーティングはポリマー<ガラス<セラミックの順に長寿命&高価格。
- 施工範囲:下回り全面か、要所(フロア・サブフレーム・ホイールアーチ内側・マフラーハンガー付近)のみかで差。コーティングはガラス・樹脂パーツ、ホイール、モールのオプションが上振れ要因に。
安い=悪いではありませんが、再施工間隔や保証まで含めた総保有コストで比較しましょう。
施工時期の目安
- 防錆施工:新車購入時に同時施工がベスト。中古車でも購入直後に行うのがおすすめ。冬前に再施工しておくと安心。
- ボディコーティング:こちらも新車時が理想。塗装が劣化してからでは下地処理が必要になり、余計な費用がかかることがあります。
両方必要なのか?
結論からいえば、車を長く安心して乗りたいなら「両方」必要です。
防錆施工は車の「骨格」を守り、ボディコーティングは「見た目と塗装」を守ります。どちらか片方だけでは、車の寿命や価値を最大限に維持することは難しいのです。
特に、雪国や海沿いに住んでいる人は防錆を優先すべきですし、都市部や屋外駐車が多い人はコーティングを優先すべきです。理想は環境や予算に応じて両立させることです。
施工をしないとどうなる?
防錆もコーティングも「やらなくてもすぐ困らない」ため後回しにされがちです。しかし、数年後には大きな差が出てきます。
- 防錆施工をしなかった場合
雪国では3〜5年でフレームに錆が進行し、穴あきや強度低下が起こることがあります。マフラーやサスペンションが腐食して交換となれば、数十万円単位の修理費が発生するケースもあります。 - ボディコーティングをしなかった場合
紫外線や酸性雨の影響で塗装が色あせ、艶がなくなります。さらに深刻な場合はクリア層が剥がれて「再塗装」が必要となり、こちらも数十万円の出費になることがあります。
小さな初期投資を惜しんだことで、後から大きな出費に繋がる可能性が高いのです。
環境別のおすすめプラン
車を使用する環境によって、優先すべき施工は異なります。
- 雪国に住んでいる人
道路に撒かれる凍結防止剤が最大の敵。まずは防錆施工を優先し、その後でコーティングを追加するのがおすすめ。 - 海沿いの地域の人
潮風に含まれる塩分が錆を進行させます。防錆は必須で、洗車もこまめに行いましょう。 - 都市部で屋外駐車の人
酸性雨や紫外線による塗装劣化が心配。まずはコーティングを優先し、可能なら下回りの錆対策もプラスすると安心です。 - 屋内駐車の人
錆や紫外線の影響を受けにくいですが、長期保有するなら両方の施工をしておくと安心。将来の売却時にも有利です。
効果を最大化するメンテサイクル(施工時期の考え方)
効果は“入れた瞬間”よりも“維持”で差が出ます。
- 防錆施工の再点検サイクル:年1回(特に冬前と冬明け)。スタビやアーム、マフラー取付部など飛び石・塩分が当たりやすい箇所を重点チェック。薄くなっているところは部分再塗布で延命可能。
- コーティングのメンテ:3〜6か月ごとにトップコートやメンテ剤を追加。洗車では中性シャンプーを使い、水ジミは早期除去。花粉・黄砂時期は放置しない。
- 洗車タイミング:冬場の積雪地域や海沿いは“汚れたらすぐ”。凍結防止剤や潮分は時間経過=腐食の進行と捉え、下回り高圧洗浄を習慣に。
施工時期は「新車時」「冬前」「梅雨前」が目安。新車は最小限の下地処理で済み、被膜の密着が良いためコスパが高くなります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 中古車でも防錆施工は必要?
A. はい。中古車はすでに錆が進行している場合も多いため、施工前に下回りをチェックし、必要なら錆取り後に防錆剤を塗布します。
Q2. コーティングとワックスはどう違う?
A. ワックスは数週間〜数か月で効果が切れますが、コーティングは数年単位で効果が持続します。長期的に見ればコーティングのほうがコスパに優れます。
Q3. 防錆とコーティングは同じ店でできる?
A. 多くのカーショップやディーラーでは両方対応しており、同時施工で割引になるケースもあります。
Q4. DIYで施工するのはあり?
A. DIYでも可能ですが、耐久性や仕上がりはプロに比べると劣ります。特に下回りの施工はリフトアップが必要なため、安全面からも専門店がおすすめです。
Q5. 新車のメーカー防錆と後施工の違いは?
A. メーカーの標準防錆は防錆設計+簡易コートが中心。地域事情(積雪・塩害)によっては、後施工の厚膜防錆で補強するのが実用的です。
Q6. 透明タイプの防錆は弱い?
A. 見た目重視で確認がしやすいのが長所。飛び石・砂利路が多い環境では、厚膜タイプとの使い分けが安心です。
Q7. コーティングの再施工タイミングは?
A. 撥水低下・洗車後の水残り・トップコートで復活しない場合が目安。3〜5年を目安に“リセット磨き”+再施工がベスト。
Q8. 施工証明や保証は重要?
A. 重要です。保証内容(期間・再施工条件)や施工証明書は、売却時の説得力にもつながります。
まとめ
- 防錆施工=下回りや金属部分を錆から守る施工
- ボディコーティング=外装塗装を美しく保つ施工
- 目的が違うため、両方施工するのが理想
- 施工時期は新車時がベスト。費用は数万円〜数十万円と幅広い
車は単なる移動手段ではなく、資産であり相棒です。長く快適に、安全に乗り続けるためには、見えない部分のケアと見える部分のケアの両方が大切です。
防錆の重要性については、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
👉 防錆の大切さについての記事はこちら
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防錆施工は多くのメーカーや施工店が提供していますが、品質や持続力には大きな差があります。そこでおすすめしたいのが、スペシャルワンが展開する「ラストムーン防錆」です。
ラストムーン防錆は、自動車の下回りや金属パーツを徹底的にカバーできる専用剤を使用し、融雪剤や潮風といった過酷な環境にも対応できる高い防御力を誇ります。従来の防錆剤に比べて密着性・耐久性に優れており、長期間にわたって愛車を錆から守ることが可能です。
さらに、施工前の丁寧な下地処理や、車種・使用環境に合わせた最適な塗布方法にこだわっているため、単なる「塗るだけ」の防錆とは一線を画します。雪国の厳しい環境や海沿いの塩害対策としてはもちろん、都市部でも長く車を乗り続けたい方に選ばれています。
「車を大切に長く乗りたい」「安全性を落とさず価値を維持したい」と考える方にとって、ラストムーン防錆は心強い味方です。愛車の将来を見据えた投資として、ぜひ検討してみてください。