車の傷

車の傷はどうする?DIY補修からプロに依頼まで傷の深さ別の修理方法

車を使っていると、小さな傷やへこみはどうしても避けられません。

例えば、駐車場でドアが接触したり、小石が跳ねてボディに当たったり、荷物の積み下ろし中にうっかりつけてしまったりと、さまざまな場面で傷ができることがあります。こうした傷は、見た目の印象を損なうだけでなく、放置すると錆びの原因になりかねません。愛車をきれいな状態で保つためには、早めの対応が欠かせないのです。

この記事では、車の傷を修理する際に役立つ情報をお届けします。自分で手軽にできる修理方法や、プロに依頼したほうが良いケースについて、具体的なポイントを分かりやすく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

自分でできる車の傷の修理方法(傷の深さ別)

まずは、傷の種類や深さを確認しましょう。

修理方法は傷の状態によって異なります。傷を放置すると、見た目だけでなく、車の寿命にも影響を及ぼすことがあります。適切な修理を行うことで、車の美観を保ちつつ、長く快適に使い続けることができます。

表面の軽い傷(クリア層のダメージ)

指で触っても引っかかりを感じない浅い傷は、主にクリア層のダメージです。このような傷は比較的簡単に修復できます。

必要な道具:コンパウンド、ポリッシャー(または柔らかい布)、マイクロファイバータオル

手順

  1. 傷のある部分をきれいに洗い、乾かします。
  2. コンパウンドを布に取り、軽く円を描くように磨きます。
  3. 表面が滑らかになったら、仕上げ用のコンパウンドで仕上げます。
  4. 最後にワックスを塗布して、光沢を戻しましょう。

塗装層に達した傷

指で触ると引っかかりを感じる傷は、塗装層に達している可能性があります。このような傷は目立つため、修理が必要です。

必要な道具:タッチペン、塗装用スプレー、サンドペーパー(細かい粒子)、クリアコート

手順

  1. 傷周辺をきれいにし、サンドペーパーで表面を平らにします。
  2. タッチペンで塗料を塗り、乾燥させます。
  3. 必要に応じて、スプレー塗装で広範囲を補修します。
  4. 最後にクリアコートを塗布し、塗装を保護します。

金属部分まで達した深い傷

金属が露出している傷は錆びるリスクがあるため、迅速な対応が求められます。この場合、適切な処理を行わないと、錆びが広がり車体全体に影響を与える可能性があります。

必要な道具:錆び止め剤、パテ、サンドペーパー、塗装道具一式

手順

  1. 傷の周囲をきれいにし、錆びがある場合は完全に除去します。
  2. 錆び止め剤を塗布し、乾燥させます。
  3. パテで表面を埋め、平らに整えます。
  4. 塗装層と同じように、タッチペンやスプレー塗装で色を整えます。
  5. 仕上げにクリアコートを施し、防錆効果を高めます。

注意点

・修理を始める前に、必ず色番号を確認し、車の塗装に合った塗料を使用してください。
・傷の程度が不明な場合や自信がない場合は、プロに相談するのが安心です。
・深い傷を放置すると、修理費用が増加する可能性があるため、早めの対応を心がけましょう。

適切な道具と手順を用いれば、自分で修理できる場合もありますが、作業中に傷を広げないよう慎重に行うことが重要です。自分で修理をする際は、焦らず慎重に作業を進めることが成功のポイントです。

車の傷の修理をプロに依頼すべきケース

窓ガラスのヒビ

車の傷やダメージには、自分で対応できるものと専門家に任せた方が良いものがあります。以下のようなケースでは、専門の修理業者やディーラーに依頼するのが安全で効率的です。

深い傷や広範囲の塗装剥がれ

理由:
放置すると金属部分が露出し、錆びが進行するリスクがあります。一度錆びると修理がより困難になり、費用も増加します。特に、事故などで広範囲に塗装が剥がれた場合は、自分で対応するのが難しいため、プロの設備と技術が必要です。

おすすめ対応:
板金塗装の専門業者に相談すると、傷だけでなく周囲の色合わせや仕上げも完璧に行ってもらえます。

仕上がりのクオリティを重視する場合

理由:
自分で修理した場合、どうしても色ムラや仕上げの粗さが目立つことがあります。特に、新車や高級車の場合、完璧な仕上がりを求めるならプロに依頼するのが最適です。

メリット:
専門家は高品質な塗装機器や技術を持っているため、新車同様の美しい仕上がりが期待できます。また、目立つ場所の傷ほど、プロに依頼することで満足度の高い結果を得られます。

保険が使える場合

理由:
事故や災害による損傷で保険適用が可能な場合、自分で修理するよりも保険を活用してプロに依頼した方が結果的にコストを抑えられます。また、保険会社が推奨する修理業者を利用すれば、保険請求もスムーズに進みます。

ポイント:
修理前に保険会社に連絡し、適用範囲や手続き方法を確認しましょう。

傷の原因が分からない場合

理由:
傷が何らかの構造的な問題や外部からの圧力によるものの場合、放置すると車の安全性に影響を及ぼすことがあります。プロに診断を依頼し、問題の根本を解決するのが安心です。

:
ドアやフェンダーの変形、バンパーの割れなどは、内部にもダメージが及んでいる可能性があります。

カスタム塗装や特殊塗料が使用されている場合

理由:
メタリック塗装やパール塗装など、特殊な塗料が使われている場合は、色合わせが非常に難しいため、自分で修理すると仕上がりが不自然になる可能性があります。

プロ依頼のメリット:
専門の設備を使い、塗装の種類に応じた最適な方法で修理してもらえるため、違和感のない仕上がりが実現します。

リセールバリューを重視する場合

理由:
中古車として売却を考えている場合、修理の仕上がりが購入者の評価に影響します。プロに依頼すれば、修復痕が分からないレベルで修理してもらえるため、車の価値を保つことができます。

修理業者に依頼する際の注意点

信頼できる業者を選ぶ: 口コミや実績を確認し、信頼性の高い業者を選びましょう。

見積もりを複数取得する: 修理費用に大きな差が出ることがあるため、複数の業者から見積もりを取ると安心です。

修理保証の確認: 修理後の保証内容を確認し、アフターケアがしっかりしている業者を選ぶと安心です。

プロの技術を活用すれば、見た目だけでなく車の性能や耐久性も保つことができます。大切な愛車を長く維持するためにも、状況に応じてプロに依頼する判断をしましょう。

車の傷の修理費用の目安

円

プロに依頼する場合の修理費用は、傷の深さ、範囲、車種、塗装の種類、地域などによって大きく異なります。以下は一般的な目安ですが、具体的な金額は個々の状況に応じて変動します。

コンパウンドやタッチアップペンで対応できる傷

費用目安: 数千円(DIYの場合)

内容: 軽度の浅い傷であれば、自分で修理することで材料費だけで済みます。コンパウンドは500~2,000円程度、タッチアップペンは1,000~3,000円程度で購入可能です。

軽度な塗装修理(部分補修)

費用目安: 1万円~3万円

内容:
小さな範囲の塗装修理(バンパーの一部やドアパネルの傷など)は、比較的低コストで済みます。塗装を部分的に補修するため、時間や費用を抑えることが可能です。

ポイント:
塗料の種類や色合わせが必要になるため、正確な色調整を行えるプロに依頼する方が良い結果を得られます。

中程度の板金塗装修理

費用目安: 3万円~5万円

内容:
小さなへこみや塗装の剥がれが複数ある場合、板金作業と塗装修理を組み合わせて行うことになります。ドアやフェンダーなど広めのパネル全体を塗装する場合も、この価格帯が一般的です。

:

・ドア1枚の修理: 約3万円
・バンパー全体の修理: 約4万円

大規模な板金塗装(広範囲の修理)

費用目安: 5万円~10万円以上

内容:
大きなへこみや複数箇所にわたる傷、車体全体の塗装修理が必要な場合には、費用が高額になります。また、特殊な塗装(パールやメタリック)を使用している場合はさらに費用が増える可能性があります。

:
・フロントフェンダーとボンネット修理: 約6万円~8万円
・車体全体の塗り直し: 15万円以上

特殊塗装やカスタム塗装の場合

費用目安: 10万円~30万円以上

内容:
メタリック塗装、パール塗装、カスタムペイントなどの場合、塗料の価格や塗装技術により大幅に費用が増加します。

:
・特殊塗装の部分補修: 約10万円~15万円
・フルカスタム塗装: 30万円以上

錆びが進行した場合の修理

費用目安: 5万円~20万円以上

内容:
傷を放置して錆びが広がった場合、錆びの除去と再塗装、場合によってはパネル交換が必要になります。作業工程が増えるため、通常の塗装修理よりも高額になる傾向があります。

車の傷の修理費用を抑えるポイント

交渉

早めの対応: 傷を放置すると状態が悪化し、修理費用が増えるため、早めに修理することが大切です。

複数の業者で見積もりを取る: 業者ごとに費用や仕上がりのクオリティが異なるため、最低でも3社から見積もりを取ると良いでしょう。

保険の活用: 保険が適用される場合は、保険会社の推奨業者を利用すると手続きがスムーズになります。

DIYとプロ修理の使い分け: 軽度の傷は自分で修理し、難しいケースや仕上がりを重視する場合はプロに依頼することで、トータルコストを抑えることができます。

修理費用を明確に把握するためにも、事前に業者へ相談し、詳細な見積もりを確認しましょう。

車の傷を防ぐためのポイント

車は日常生活で多くのリスクにさらされており、傷を完全に避けるのは難しいですが、以下の工夫を取り入れることで未然に防ぐことができます。

車カバーの使用

メリット:
駐車中に落ち葉や鳥のフン、小石などによる軽い傷を防ぐことができます。特に、屋外駐車場を利用している場合には有効です。

ポイント:
・防水性や通気性のある車カバーを選び、湿気による塗装のダメージを防ぎましょう。
・風が強い日でもカバーが外れないように固定できるタイプがおすすめです。

駐車位置の工夫

メリット:
ドアの開閉時の接触や、人の往来による誤接触を減らすことができます。

ポイント:
・混雑した駐車場では、隣の車との距離が十分に取れるスペースを選びましょう。
・大型車や荷物の出し入れが多い車の隣を避けると、リスクが低くなります。
・自宅では可能な限り車庫や屋根付きの駐車場を利用すると安心です。

こまめな洗車とワックスがけ

メリット:
汚れが傷に発展するのを防ぎ、ワックスがボディを保護してくれます。

ポイント:
・洗車の際は柔らかいスポンジを使用し、砂やホコリを引きずらないように注意しましょう。
・ワックスやコーティング剤を定期的に塗布することで、ボディ表面の耐久性が向上し、小傷の発生を軽減できます。
・特に冬場は、融雪剤による塗装の劣化を防ぐため、下回りもしっかり洗浄しましょう。

ボディカバーやプロテクションフィルムの使用

メリット:
特に前部のバンパーやドアエッジなど、傷がつきやすい部分を保護できます。

ポイント:
・高品質な透明フィルムを貼ると、傷を防ぎつつ外観を損ないません。
・フィルムの寿命は数年なので、適切なタイミングで交換することが重要です。

周囲の環境に注意する

メリット:
外部要因による傷を予防できます。

ポイント:
・強風の日は、飛んでくる物(枝やゴミ袋など)から車を守るため、壁や建物の近くに駐車するのがおすすめです。
・工事現場や未舗装の道路では、巻き上げられる砂や小石によるダメージを避けるため、ゆっくりと走行しましょう。

適切な運転と安全意識

メリット:
不注意による接触や擦り傷を防ぐことができます。

ポイント:
・狭い道や駐車場での操作時は、周囲をしっかり確認し、慎重に運転しましょう。
・車幅感覚を養うため、普段から車両感覚のトレーニングを行うのも効果的です。

ドアプロテクターやモールの装着

メリット:
ドアの開閉時に隣の車にぶつけたり、ぶつけられたりすることを防ぎます。

ポイント:
・簡単に取り付けられるドアプロテクターを活用しましょう。デザイン性の高いものも市販されています。

車の傷はどうする?DIY補修からプロに依頼まで傷の深さ別の修理方法 まとめ

車の傷は、状態に応じた適切な対処や日常的な予防策で減らすことが可能です。軽度の傷は自分で修理し、深刻な場合はプロに依頼することで、車の美観や価値を長く保つことができます。また、定期的な洗車やワックスがけを行うことで、傷を防ぎやすくなります。さらに、駐車時には車の周囲を確認し、可能な限り安全な場所を選ぶなど、日常の注意も大切です。

こうした対策を講じることで、愛車の美しい状態を長く維持し、価値を守ることができるでしょう。

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